ContactX Order調査レポート 05導入を相談

市場・実装調査 / 2026年9月21日

通販の電話注文における音声自動化の市場と実装範囲

本稿は、通販の電話受注に使われる自動化方式を比較し、市場規模を示す公開資料とContactX Orderの公開デモを整理したものです。電話注文の売上高について公的な集計値は確認できないため、以下では公表値と仮定に基づく試算を分けて記載します。

電話注文を表す受話器、注文票、通販の発送箱と贈答品のイメージ
PHONE ORDER / MARKET STUDY
15.4兆円2025年度の通販市場売上高(JADMA公表値)
6,640億円2024年度のテレビ通販市場(電通掲載値)
0.7〜1.2兆円2024年度の電話注文売上高(当社試算)

方式の比較

電話受注の自動化方式

比較する際は、入力方法と処理範囲を分けて確認する必要があります。ここではプッシュIVR、シナリオ型ボイスボット、会話型受注の3方式に整理します。この区分は本稿の分析用であり、市場調査機関の分類ではありません。

方式 01 / キー入力

プッシュIVR

電話機の番号入力で商品や数量を選ぶ方式です。選択肢と注文手順を事前に定義できる商品、再注文、受付の振り分けに適しています。商品名を自由な発話から特定する方式とは処理範囲が異なります。

確認する範囲:番号入力から注文受付まで
方式 02 / 音声と定義済みの分岐

シナリオ型ボイスボット

発話を認識し、事前に設計した対話シナリオに沿って質問と回答を進める方式です。商品や用件を限定した注文受付にも使われています。カゴメ健康直送便では2021年に電話注文の自動受付事例が公表されました。

確認する範囲:対象商品とシナリオ外の対応方法
方式 03 / 複数項目の会話処理

会話型受注

商品名や数量、届け先などを会話から取り出し、注文内容を確認する方式です。比較には、商品候補の特定、訂正、在庫確認、最終確定をどこまで自動化するかを個別に確認する必要があります。

確認する範囲:受注完了と有人確認の境界

方式別の導入社数、処理件数、注文完結率を同じ定義で比較できる公開統計は確認できませんでした。このため、本稿では方式別シェアを示していません。

市場データと試算

公表値と電話注文の試算

JADMAは通販市場全体の売上高を公表していますが、電話で成立した注文の全国売上高は本稿で参照した公開資料からは特定できません。以下の「電話注文売上高」は市場全体に仮の構成比を掛けた感度試算であり、調査機関の公表値ではありません。

項目数値区分・算定方法
通販市場全体14兆5,500億円(2024年度)
15兆4,085億円(2025年度)
JADMAの公表値。ECを含む通販全体
インターネット通販11兆4,572億円(2024年)電通『情報メディア白書2026』掲載値
テレビ通販6,640億円(2024年度)電通『情報メディア白書2026』掲載値
ボイス型自動対話システム市場49億円(2024年度)
231億円(2030年度予測)
デロイト トーマツ ミック経済研究所。全業種が対象
電話注文売上高の感度試算約0.7〜1.2兆円(2024年度市場を基準)14兆5,500億円 × 仮定した電話注文比率5〜8%

5〜8%はシナリオ比較のために置いた仮定であり、全国の電話注文比率を実測した値ではありません。また、インターネット通販は暦年、通販市場全体とテレビ通販は年度の値です。集計範囲も異なるため、これらを差し引いて電話・カタログ通販の売上高を算出していません。

公開デモの評価

ContactX Orderの実装範囲

公開デモは、発話から用件や商品候補を判定し、注文内容を確認して確定する会話型受注を対象としています。金額・数量上限・在庫・確定条件はアプリケーション側で判定します。以下はデモの機能範囲であり、商用運用での注文完結率や費用対効果を示すものではありません。

確認できる機能

公開デモで対応

  • 用件確認、会員照合、商品・数量、届け先、支払い、最終確認
  • 在庫切れ、販売停止、数量上限の確認
  • 確信度が低い判定では注文確定を保留
  • 担当者への引き継ぎと会話履歴の保持
未対応の例

追加実装が必要

  • カートから1品だけ外す
  • 郵便番号なしで住所を丸ごと受ける
  • カード番号の読み上げを止める
  • かけなおし後の再開、通話中の話者交代、請求書払い
  • 商品安全性について未登録の質問への回答

デモでは、定義済みの商品と注文手順について会話から注文確定までの処理を検証できます。一方、上記の未対応項目を含む業務全体の自動化は確認できていません。導入判断には、自社の注文パターンでの完結率、有人引き継ぎ率、誤注文率を別途測定する必要があります。

参照資料

数値の出典と利用上の注意

関連資料 / 技術設計

注文確定を制御する設計

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